Affinity Designerの小ネタ5(ブラシを自作する)

Affinity Designer Affinity Designer

みなさん、こんにちは。今回はAffinity Designer 2でブラシを自作する方法を解説します。今回の方法を使用すれば、自分で作った自分だけの線が引けるようになります。もちろん2重線なんかも簡単に作れます。小ネタ3ではレイヤーエフェクトを使った2重線の作成方法を解説しました。ですが、ブラシでやる方が簡単で使いやすいです。では、さっそくやっていきましょう。

(間違いや非効率な説明があるかもしれませんが、大目に見てください。)

使用するバージョン

Mac OS(最新)
Affinity Designer 2

ブラシの使い方(初心者の練習)

ブラシをあまり使ったことがないという人もいるかもしれません。さあ、練習です。以下の手順で、試しにブラシを使ってみましょう。

①まず、【鉛筆ツール】などで適当に線を引きましょう。
鉛筆ツールで線を引く

②次に、線を選択しましょう。
線を選択しよう
③右側のツールのブラシの【細かい油彩04】を選んでみます。
細かい油彩ブラシ

④すると、実線テクスチャ線に置き換わっています。
ブラシ線
⑤細くしたい場合は、線を選んで、右側のツールの境界線テクスチャ線(筆の絵)のスライドバーを左に動かしましょう。
テクスチャ線を細くする

⑤すると、線が細くなります。
細いテクスチャ線
こういう感じでブラシを使いましょう。もちろん、鉛筆ツールの線だけでなく図形の境界線にもブラシは使えます。

ブラシの自作方法(2重線)

次に、2重線のブラシを自作しましょう。そして、ブラシをAffinity Designerに登録しましょう。手順はとっても簡単です。

①Affinity Designerで以下のような絵を作りましょう。ドキュメントの寸法は256x256にしましょう(別に寸法は何でもいい)。白が不透明部として、黒が透明部として使われることになります。
2重線ブラシ

②作った画像を、ファイル>書き出しからPNGとして保存しましょう。double.pngとでも名付けておきましょう。

③ブラシのファイルを閉じましょう。そして、Affinity Designerで新しく500x500のドキュメントを作りましょう(別に寸法は何でもいい)。適当に丸でも描いてください。
円を描く

④さて、ブラシを登録する前に、ブラシを入れるためのカテゴリを作ります。右側のツールのブラシタグを押しましょう。それから、右の三本線のボタンを押して出てくるメニューの新規カテゴリを作成を選んでください。ダイアログに「マイブラシ」と入力してOKを押してください。すると、ブラシのカテゴリー一覧の中にマイブラシが登録されます。
新規カテゴリ登録

新規カテゴリのダイアログ

⑤作りたてなので、マイブラシの中は空です。その空の場所を右クリックして出てきたメニューから新規テクスチャー強度ブラシを選んでください。そして、さっき作ったdouble.pngを選択してください。
新規テクスチャ強度ブラシ

⑤これでマイブラシにdoubleを登録することができました。円を選択してから、そのdoubleを押してみましょう。
二重線の登録

⑥これで2重線の円を描くことができました。簡単ですね!
二重線の円

テクスチャ強度ブラシの解説

テクスチャ強度ブラシ(さっき作ったdouble.pngのこと)の仕組みを解説します。

ブラシの濃さについて

テクスチャ強度ブラシはその名の通り、テクスチャを強度として使用するをブラシです。強度というのは濃さという意味です。不透明度という意味です。より白ければより不透明になり、より黒ければより透明になるという仕組みです。
ブラシの強度説明

  • 白は完全不透明
  • 黒は完全透明
  • 灰色は半透明

線の中心と開始終了位置

線の中心と開始終了位置とブラシとの対応が気になるところです。対応はブラシの画像の中では以下のようになります。
線の中心と開始終了位置説明

図形の境界線との対応

図形の境界線とブラシとの対応が気になるところです。図形との対応は以下のようになります。
図形に対するブラシの方向説明

これらの仕組みを使うと以下のような線を描くことができます。
ブラシの濃淡を使った円

ブラシのストレッチ

例えば、両端矢印の線を引き伸ばした時は、真ん中の線の部分だけ引き伸ばして欲しいですよね。そういうことが、自作ブラシでも実現できます。それが、ストレッチという仕組みです。

①さて、上手い下手はさておき、犬の絵を描きます。今回は512x256で作成し、dog.pngという名前で保存しました。ブラシ画像をAffinity Designerに新規テクスチャ強度ブラシとして登録しましょう。
犬の絵、犬のブラシ

②登録されたdogブラシを右クリックしてでてくるブラシを編集をクリックしましょう。
ブラシのストレッチ
ストレッチというボタンがONになっていることを確認しましょう。そして、ヘッドオフセット(左側の赤点線)を前脚の付け根くらいに、テールのオフセット(右側の赤点線)を後ろ足の付け根に移動します。編集画面を閉じます。
ストレッチの編集

③さあ、適当に線を引いて、さっきのdogブラシを適用してみましょう。
犬の線

ブラシの繰り返し

ブラシにはストレッチのほかに、繰り返しという機能があります。オリジナルのフレームを作る場合などに便利です。

①logo.pngというブラシを作ります。そして、新規テクスチャ強度ブラシとして登録しましょう。
繰り返し用のブラシの画像

②ブラシ編集で繰り返しを押して、閉じましょう。
ブラシ編集の繰り返し

③さて、角丸長方形ツールで角丸長方形を描いてみましょう。そして、図形を選択して先ほど作ったlogoブラシを選択しましょう。線が太すぎる場合は、幅を狭めましょう。これでロゴ入りのフレームが作成できました。
ロゴフレーム

おわりに

今回はテクスチャ強度ブラシを紹介しました。他にも、ソリッドブラシやテクスチャ画像ブラシがありますが、それらは別の機会に紹介できればと思います。

つぶやき

2024年にAffinityの運営会社Canvaの運営会社買収されました。2025年10月末にAffinityのバージョン3に当たるAffinity Studioというものが発表されました。Canvaの無料メンバー(いくつかあるサブスクプランの一番下のプラン?)になれば、誰でもAffinity Studioを無料で使えるそうです。

コメント